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サポーター探訪 VOL.1 橋本工務店(浜松)

更新日:4月8日

「暮らしを移す」サポーターが、他エリアのサポーターを訪ねるこの企画、今回は群馬のサポーターである市川慎二さん(ヤマイチ)が、静岡のサポーターである橋本繁雄さん(橋本工務店)のご自宅兼モデルハウスを訪ねました。


橋:橋本さん 市:市川さん 編:編集部)


ファシリテート 塚本浩史(株式会社アドブレイン代表 「暮らしを移す」編集部)




雨も似合う、心地よい空間


市:橋本さん、本日はお忙しいなかご自宅を見学させていただき、ありがとうございます。


橋:いえいえ、市川さんの物件はこの自宅を建てる前に何軒か見学させていただいてますし、先日も一軒見学させていただいたばかりですから。あいにくの雨ですが、ゆっくり見ていってください。


市:まず、玄関入ったところからのシースルーの開き戸がとてもいい感じですね。


小上がりスペースと廊下を仕切る透け感のある開き戸(写真は竣工時)
小上がりスペースと廊下を仕切る透け感のある開き戸(写真は竣工時)

橋:南面に大きく開いた設計なんですが、玄関入ったところは少し暗く絞った空間なんですね。そこからリビングにくると、パンと視界も縦の空間も広がって開放的な印象になるんですが、その透け感のある建具が期待感というか、視線の先を感じさせてくれていいですよね。


市:庭がまた素敵ですが、これはどちらで?


橋:地元で昔からのつきあいがある庭屋さんにお願いしてます。設計をお願いした岡村さんと相談して、道路側からも見れる高い木を造園家の荻野さんも使っている大阪の植木畑から仕入れました。


編:竣工時の撮影にときは晴れでしたが、今日は雨でしっとりした感じがまたいいですね。


市:ほんと、雨が似合うのは日本の家の良さですね。


橋:芝のスペースもあるので息子は友達を呼んでBBQやったりしてます。


市:愛でる庭でもあり、楽しめる庭でもありますね。家のコンセプトとも合致していてとてもいいです。


意匠・機能・性能をバランスさせる


市:ご自宅兼モデルハウスということですが、この家はお客さまにも好評じゃないですか?


橋:そうですね。いわゆるハウスメーカーのモデルハウスのような非現実的な建物とは違い、実際に住んでいる(住める)家というリアルさを感じていただけているようです。現実的だけどワクワクする、ワクワクするけど暮らしやすそうみたいな。料理しながら洗濯したりとか、そのあたりの動線の良さも実際使っている身としてアピールしやすいですし。


市:私も普段から「『性能・意匠・機能』の3つをバランスさせないといい家にならない」と言っているんですが、この家はまさにそれを高い次元で実現されてますね。橋本さんのところは、家の性能もかなり高いと伺っていますが、具体的にはどのあたりの数値を標準とされているんですか?


橋:全棟構造計算実施で耐震等級は3、断熱は外断熱工法を採用して等級は6、気密測定も全棟実施してC値で0.3〜0.5は実現しています。もっとも、性能だけを追い求めているわけでもないんですけど。浜松には性能のいい家を建てている工務店はたくさんいるので。


編:橋本さんの家は毎年何軒か撮影させていただいてますが、特に夏の暑い日の撮影は家のどこにいても冷房がちゃんと効いていて、ほんと助かってます。玄関入って「あ、涼しい!」ってすぐに体感できるんです。で、涼しいだけでなく、撮っていて楽しいというか撮り甲斐があるのが橋本さんの家なんです。


市:ウチも大工工務店なので、素材や工法にこだわりがあるんですが、材料はどこの材を使われているんですか?


橋:日本三大美林として知られる地元天竜の材を天然乾燥させて使っています。それを手刻みする伝統工法で建てるのが橋本工務店の家づくりです。浜松は山と町が近いんですよ。45分も走れば製材所や植林地に行けますから。なので山の見学会なんかも定期的に実施したりしています。


市:構造材は材の綺麗さに惹かれてベイヒバにこだわってきたんだけど、改めて見ると日本の杉・檜はいいですね。無垢の良さが際立ちます。


同じ大工工務店として、真剣なまなざしが印象的な訪問でした
同じ大工工務店として、真剣なまなざしが印象的な訪問でした

旧き良き家づくりを今に生かす



橋:となりに加工場があるんですがご覧になりますか?


市:いいですか?ぜひ拝見したいです。


加工場でも話がはずみます
加工場でも話がはずみます

橋:ここが加工場です。小さい頃、親父がとんかんとんかん刻んでいたのが原風景であって、自分もそうなりたいなと思って倉庫だったところを改装しました。


市:「刻み」かあ。若い頃間違えて刻んで、棟梁によく怒られたらなあ(苦笑


橋:自分も若い頃はよく間違えたんです。それで工務店をはじめてからは3回チェックすることをルール化して運用してます。周りからは「そこまで必要?」って言われたりしますが、間違いがなければ上棟当日すっと建ちますからね。


市:そうですね。昔は「丘組み」とかやりましたよ。あらかじめ一度「下」で組んでみて合っているかを確認するために。あーこんな話がプレカット全盛のいま出来るなんて、大工出身としてはちょっと嬉しくなりますね。



今では少なくなった「手刻み」での家づくり
今では少なくなった「手刻み」での家づくり


若い大工さんを育てる


市:お見受けした感じ、大工さんは若い方が多いようですが。


橋:そうなんです。大工を育てることにはちょっと自信があるんですよ(笑) 独立していく大工もいれば、新しく「働きたい!」といって入ってきてくれる若い子もいる…この循環がいいと思っているんです。


大工5人くらいでちゃんと目が届く範囲の年間6.7棟やれればいいと。


市:数を追いかけていくと、どうしてもやりたい家づくりから外れていってしまいますからね。「オレがやりたかった家って、こんなんだったっけ?」って…。そんななか、若い大工さんを育てて、やりたい家だけをやっているのは、本当に素晴らしいと思います。


橋:あと、同じ浜松に手刻みしている仲間(の工務店)がいるのもいいですね。仲間でもあるけど、ライバルでもあるんですが。お互いに刺激をもらいながら切磋琢磨できる関係がいまの橋本工務店の家づくりに活かされていると思います。


市:そうですね。今日はたいへん刺激になりました。またぜひ群馬にも見学にきてください。


編:当初は見学だけの予定でしたが期せずして同じ家づくりの想いをもったお二人の対談になり、いいお話がたくさん聞けたと思います。本日はありがとうございました。



今回の訪問先

エリア:静岡県浜松市

サポーター名:橋本繁雄さん 



訪問した人

エリア:群馬県高崎市

サポーター名:市川慎二さん 


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